6/1 スペース・ゼロ『 舞台「ハイスクール!奇面組」』

http://kimengumi-stage.com/


中ほどよりちょい後ろの端で鑑賞。
原作は実家に全巻揃ってますが、15年くらい読んでません。
アニメは子供の頃に見てましたが、ほぼ記憶に無し。




約2時間の舞台ですが、
前半は顔出し&事代作吾が若人先生にアタックし、お見合いをぶち壊す諸々、
後半は若人先生のお見合い相手の御曹司(おんぞう つかさ)という
舞台オリジナルキャラの逆襲が始まる…
みたいな内容です。


なので、ヒロインは河川唯というより、若人蘭です。
そして、そこに絡む、なだぎ武演じる事代作吾が、多分一番セリフが多く、
舞台の要のような存在です。
主人公と言ってもいいかもしれない。
確かに動かしやすいキャラクターでもあるが、
原作では出番の割に不人気キャラのイメージもあったので、
この扱いは驚きました。



感想としては、当然と言えば当然ですが、面白かったです。
原作がコメディーなんで当たり前ですが、かなり笑えます。
2.5次元の舞台は初めてですが、
「あー!あったなーこのネタ」みたいに懐かしくなり、
アニメから飛び出して来たかのようなズッコケ方や、
かましぶぁさ!みたいな独特の動きもあったり、
再現度が素晴らしい。
熱狂的な原作ファンなら、粗もあるのかもしれないが、
俺くらいのレベルだと、一番楽しめるかもしれません。
ていうか、「あれ?これって漫画のネタだっけ?舞台オリジナル?」みたいなのが
頻発するので、マジで漫画読み返したくなるw




それでは、それぞれの登場人物についての感想を書いていきたいと思います。



〇河川唯

演じる松田さんは可愛いんだが、唯と言われると…微妙。
この舞台は他のキャラクターの再現度が高いため、
唯はその中で比べると、そこまででもないかなーって感じ。
他の人の感想を見ても、宇留千絵や似蛭田なんかは「似てる!」って声が多かったけど、
比較すると、唯が「似てる!」って声は少なかったと思う。

唯の特徴は「大きな目」だと思うのですが、
目がそんなに大きくないのが×。
あと、ショートの女性が可愛く見えるためには、
相当のレベルじゃないと難しいと思うんですよね。




〇宇留千絵

基本的には〇。
というか、東にしか見えないwww(特に序盤)
だが、宇留千絵は東にハマり役、というのは右手愛美を始めとして、
多くの人が賛同するところ。
そのままでも割といいんだよね。
後半になると慣れてきて、宇留千絵としての馴染み度も高くなり、
良かったと思います。
「酒焼けした声」と突っ込まれるシーンがありましたが、
アレって原作にも似たようなのあったんだっけ?
だとしたら、再現度すげーよなwww





〇事代作吾

なだぎ武の芸達者ぶりが存分に発揮された役柄。
アドリブっぽいのも目立ち、常に生き生きと舞台を走り回っている。
再現度も素晴らしく、先輩格としてのまとめ役、
まさに舞台の要を思わせる存在だった。
座長って感じ。



〇若人蘭

これはすげー良かった!!!
だって、可愛いんだもんwww
顔も声も。
こっちが河川唯でもいいんじゃない?って位。
若人らしいお嬢様感もしっかりあり、
ハマってました。



〇伊狩増代

これも良かった!
単純に顔が似てる。
可愛すぎない、おばさんキャラでもある原作を
ああも再現してるのは凄い。
役柄的にはまさに脇役って立ち位置。




〇似蛭田 妖

ツイッター上では好評のようだ。
確かに外見の再現度は素晴らしい。
ケンカシーンのアクションもいい。
けど…声に違和感、たたずまい含めて迫力が無い。
声はアニメ版にかなり似てるらしいけど、
アニメの記憶というか知識が全くないんで、
俺の理想とする感じとは違った。
しかし、役者のブログにも書いてあったけど、
殺陣が多い中で、あの視界の悪さでやってたのは凄いと思う。



〇切出翔

比較的再現しやすいキャラ。
若人先生の気を引く事代先生&奇面組
モテるコツをレクチャーする役回りなど。



天野邪子

後半の御曹司の悪巧みにいち早く気づき、
邪魔する美味しい役回り。
原作でも似たようなシーンあったっけ?
既視感もあるが、ろくでなしの真冬同様の
不良女性の美味しさ、魅力に溢れてた。



〇雲童塊

そのキャラクターにふさわしく、バク転などのアクロバット技を
意味もなく多数披露し、外見の再現度もバッチリだが、
他の〇〇組のメンツと比べると、ストーリーの絡み要素が薄く、
損してるなー、と思った。
唯一アドリブでラップを披露したシーンが目立ってたが、
それは「雲童塊」のキャラというより、
中の役者である「才川コージ」のいじられ要素なのでノーカン。
詳しくは不明。




〇出瀬潔

演ずるは、もう中学生。
これが、かなり「もう中学生」要素が出まくってるwww
完全にシュールな段ボールネタを披露するシーンもあるし、
他にも掲示物を持ってくるときの「ただいま〜」みたいな口調とか、
もう中らしさが出まくっているw

出瀬潔のスケベキャラって、いやらしさもあるし、
女性からも嫌われがちだし、「今のご時世、それどうなの?」と
感じさせる所もあるが、もう中学生自身にはエロ要素がほとんど感じられないので、
いい感じに中和されてた。
原作の再現度、という点では外見〇、中身は△くらいだが、
トータルではだいぶいいと思った。



〇大間仁

演ずるは、ジョイマン高木。
これが…ハマり役w
まず、ジョイマン高木って、言われないと分からないのよ。
ジョイマン高木の外見って、まずメガネ、次いでちゅるちゅるっとした?髪型、
そしてニヤニヤした歯の見える口元なんかが連想されると思うんですよ。

ところが、大間仁になると、メガネはなくなり、髪もカツラ?によって隠れ、
口元は閉じるのが基本。
そうなると、ジョイマン高木臭が全く無くなるのよ。
それでいて細い目は大間っぽいし、
高木のスローモーな感じ、人のよさそうな感じは、大間とシンクロする。

もう中ほどではないものの、大間も多数ジョイマンネタをやるシーンがあります。
特にお見合いをぶち壊すシーンで、若人先生に扮してジョイマンキャラで
ネタをやるシーンは一番の見どころかな。

舞台初出演&舞台初日という事で、カーテンコールではコメントを振られてました。
今年一番ネタが受けたとか言ってたかなw



〇物星大

外見が似ているのはもちろん、オカマキャラという事で、
内股や線の細さ、それっぽい仕草など、顔だけではない再現度が凄かった。
あと、近年のメイク技術のせいなのか、ちゃんと綺麗な顔してるんですよねwww
原作より美人なんじゃね?
ピンクのレオタードのシーンは、客席の悲鳴にも似た反応が凄かったw



〇一堂零・冷越豪

とても良かったのですが、特別特筆すべきところがないというか、
印象に残らなかったんだよなーw
奇面組の中でもメインクラスの二人だから、安定感はあって当然、
って感じで観てたからかな。




〇御曹司・太鼓持大

舞台版オリキャラ
特に後半戦で、他の出演者の共通の敵として存在感を発揮。
TLでも、うまく奇面組の世界にマッチしていたと好評のようだ。
後述の悪田組含めた敵キャラと、奇面組やそれぞれの組長との
アクションシーンは、コメディだけでなく、わかりやすく
観る者を熱く燃えさせてくれた。

ところで、太鼓持大の名前って「たいこもち・だい」でいいのかな?
劇中で言ったシーンもあったかもしれないが、
一回こっきりのセリフをそこまでちゃんと覚えてないわw



〇よろづ組

公式HPのキャストのページの下の方に、
写真もなく紹介されてるのが、よろづ組だ。

http://kimengumi-stage.com/cast.html

観る前はなんの事やらさっぱりだったのだが、
主な役割は、腕組、色男組、番組のセンター以外の4人
(だから、よろづ組って事なのね)、
学校のシーンのエキストラ、溺れてる生徒など。

そして大きな役割が、後半に御曹司の手先となって働く、
富国狂兵率いる「悪田組」。
この「悪田組」、最初は舞台オリジナル?かと思いましたが、
設定やら名前やらに、どことなく覚えがあって、
ウィキペディア見てみたら、ちゃんと原作にありました。
この原作キャラの絡ませ方とか使い方とか、うまいなーと思った。
なお、「悪田組」は4人組で、どれがリーダーの富国狂兵なのか、わかりませんでしたw


事前にHP見て、
「腕組とか番組は、雲童と似蛭田だけ出て、他の4人は出てこないんだろなー」
とか思っていたので、ちゃんと5人揃って出てきた時は驚きました
(まあ、番組以外は、揃って出るのは最初だけだけどw)


しかも、色男組は番手が遅かったけど、
腕組と番組は続けざまに出てきたので、
同じ人がやってると思わず、
「エキストラ役の人が10人くらいいるのかな〜」と思って見てたから、
カーテンコールで出演者全員が壇上に上がって
「あれ?エキストラいないじゃん!よろづ組の4人だけで回してたのか!」と、
またびっくり。


そんなこんなで、名無しのモブキャストですが、出番はかなり多いです。



うしろゆびさされ組

よろづ組同様、写真の無い彼女達。
要は、よろづ組の女版。
学校のシーンのエキストラ、御女組、御曹司の手先となって
写真を撮る生徒など。

よろづ組と違って2人しかいないので、
御女組ではそれぞれが人形と二人三脚状態で登場し、
5人を維持するという荒業w


そして、名前の通り、OPではうしろゆびさされ組の歌唱により
うしろゆびさされ組』を歌うシーンも。
アニメの二頭身を再現するため、あらかじめ二頭身キャラが描かれた
パネルに顔だけ出した演出は見事だった。

http://natalie.mu/stage/gallery/show/news_id/235116/image_id/785628
この写真の奥のやつね。


前半終了時も歌唱パート
(『女学生の決意』か、『バナナの涙』のどっちかだったと思うw)
があったのですが、ここではサビぐらいの短さ。
ここでもワンコーラスくらい、しっかり見せてくれてもよかったかなー。


そんなこんなで、よろづ組ほどではないのかもしれませんが、
こちらも大忙し。
なんといっても、歌があるのが大きいですね。





〇客入れBGM

国生さゆりなどのおニャン子系や、Winkなど、
あの頃のなつかしBGMがかかってました。
別に、主題歌しばりにしても良かったと思うけど。



〇マイク

特に前半というか最初、一部の役者の声が聞き取りにくい、と感じることがあった。
マイク付けてやってもよかったんじゃないかなー、と思う位。



〇奇面フラッシュ

やはりこれは外せない。
クライマックスの御曹司とのバトルで、これで倒す、みたいな使われ方されてます。

で、一瞬なんで、双眼鏡でじっくり…ってわけにはいかなかったんだけど、
奇面フラッシュは、スチール製の鉄仮面みたいなやつをつけて、
ピカーって光る感じの演出だった。
で、この鉄仮面が、5つとも同じに見えたんだよなー。
違ってるんならいいけど、同じだとしたら、あまりにも手抜きすぎない?



〇豪×千絵

原作でも印象的な、豪が千絵に尿瓶を送るシーンがあったりと、
豪×千絵シーンがあります。
といっても、全体の中ではほんのちょっとだし、ふーんって感じなんだけど、
TL見てると、そこにえらく感動&興奮してる人が多いのよ。
「豪×千絵」にそこまで燃える人がいたのか&需要があったのか…
というのに驚きました。
「零×唯」より人気ありそう。



素人童貞

作中で、事代先生を「素人童貞」っていじるシーンがあったんだが、
これはいただけなかったな。

ここからは俺の記憶違いの可能性もあるんだが、
奇面組って、潔のスケベキャラもあり、
エロネタはあるにはあるんだけど、着替えを覗くとか、
エロ本に女の裸があるとか、そういう「子供でも分かるエロ」だと思うんですよね。
素人童貞」は、子供に分からない、大人のエロワードだと思うんですよ。
セックスとか風俗とか、そういうのが絡んじゃうし。
それを奇面組の世界観に持ち出したのは×かな。



〇殺陣

クライマックスの殺陣のシーン、
音と動きが合ってないシーンが目立ったなー。
シリアスでカッチリした舞台じゃないから、
ちょっとくらい噛んだりミスしてもさほど気にならないけど、
ここはさすがに分かりやすいし、いいシーンでもあったから、気になった。





そんなところかなー。
舞台の面白さ以上に、奇面組のファンの素晴らしさや多幸感を
感じる舞台でもあった。
それまで奇面組ファン、というものを注視したことが無かったので、
皆の感想、それも上手なイラスト付きの感想も多く、
それを見てるだけでニヤニヤしてしまう。
少女ファイトの作者なんかは、奇面組が漫画を描くきっかけってつぶやいてたし。

それらの感想を見続ける事によって、舞台が終わっても楽しさが持続したし、
初日を見たのも、皆の感想を早くから楽しめて良かったまである。
予想通りアドリブの多い舞台で、後半になればなるほどアドリブも増えてたみたいだが…
まあ、あまりアドリブ入れられても、
それが奇面組の世界から逸脱してたら意味ないしなー。

あと、東推しとしては、東の宇留千絵の完成度の高さが多くの奇面組ファンに
受け入れられ、大好評だったのが嬉しかった。
ベスト5…いやベスト3くらいの好評度だったんじゃない?



再演、続編、地方公演、どれもあり得ると思います。
他の人もつぶやいてたし。
特に希望するのは続編!!!
まだまだ作れるネタはてんこ盛りの原作だからさー。
いやーやっぱ奇面組は面白い!!!!!