8/8 草月ホール『舞台 ハイスクール!奇面組2 〜嵐を呼ぶ変態ライバル対決〜』

http://kimengumi-stage.com/



今回もキャストは変わらずですが、
春曲鈍や一堂霧に琢石、ラッシーといった一堂零の家周りの面々が初登場。
その代わり、前回出ていた事代作吾や腕組などの先生、生徒といった
学園連中はお休みです。

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当然一堂零や春曲鈍の家が話の舞台になります。
そこに「二人の家に泥棒がやってくる話」と
「謎の宇宙生物(カブト)がやってくる話」がミックスされ、
話が展開して行きます。
この二つのエピソード、原作にもあったと思いますが、
そんなによく覚えてるわけでもなく…
特に泥棒メンツが5人もいるわけだが、
「こんなに人数いるか?」という気にもなりました。
まあ、実際見てみたら、話を構成するうえでもそんなに邪魔にならず、
割と良かったけど。



会場は、前作のスペース・ゼロから草月ホールに変更。
ハコは小さくなったのかな…?
後ろの方の席でしたが、双眼鏡を使う事なく見る事が出来ました。
平日で台風直撃というあいにくの日でしたが、客入りは8割ほど埋まってました。




感想は、ざっくり言うと、まあまあかなw
二度目なので「奇面組が舞台化!」という感動はあまりなく、
諸々の要素が安定。
奇面組なんで、面白シーンが満載だが、常に一定というか安定というか、抑揚が無い。
面白いんだけど眠くなるなー、みたいな時もあった。



ストーリーも前作ほどでは無かった。
もともとストーリーを楽しむタイプの舞台ではないが、
展開に目新しさが無かった。
前回は2時間の舞台の中で前半と後半で明確に話が分かれており、
後半の展開は手に汗握るものであったが、
今回は話もだらっとして、展開も読めるものだった。


また、「泥棒」と「カブト」の二つのエピソードの中で、
どうしても「泥棒」側がメインになって、「カブト」側が弱く感じる。
特に宇宙生物のカブトはともかく、それを捉えに来た宇宙警備隊員の
トリシ・マルーがだいぶ脇役感があった。



前作と明確に違う長所として、一堂零が主人公であった事。
前作は、なだぎさん演じる事代作吾の出番があまりにも多く、
主人公って位目立ってましたが、
今回は話の構成上、一堂零が間違いなく主役です。
そして春曲鈍がしっかりライバルでありパートナーとして準主役級の活躍をしてくれます。
前作は若人蘭がヒロインしてましたが、今回は唯ちゃんがヒロイン、
と言ってもいいでしょう。





○河川唯(松田彩希)

途中奇面組と一緒に泥棒に捉えられて、解放されるんだけど、
そのあとのラーメン屋のシーンで奇面組はいるのに唯ちゃんだけ
いなくなってたのが良く分からなかったw



○宇留千絵(東理紗

つい3週間くらい前にピヨレボで東を見ていたので、
前回以上に東にしか見えませんw
奇面組の稽古とピヨレボの公演が重なり、稽古不足が心配されましたが、
後半は出番が全く無く、「そういうことだったのかー!」と思いましたw
東にしか見えないんだけど、東らしさは薄かったかもしれません。
あくまで宇留千絵としての東です(なんのこっちゃw)
なんか声がいつも以上に汚く感じられたんだけど、意図的なのかな…

終演後の挨拶では東が指名されて俺得でした。
その挨拶は、ちょっと滑り気味でしたが、
存在感梨男を演じた鈴木さんの「2つの告知」を「3つにしろー」と
なだぎさんに無茶振りされ、3つ目の告知が滑った時に、
スーパーボールを投げつけるツッコミで会場を沸かせていたのが良かったです。



○一堂啄石&ラッシー(なだぎ武

前作では事代作吾で主役級の活躍をしていたなだぎさん。
今回もその活躍を期待していましたが、2役も演じた割には若干大人しくて拍子抜け。
ちょいちょい挟まるCMギャグみたいなのは、
「タイ〜ヤマルゼン、ホイールマルゼン」のやつが一番面白かったですw



○一堂霧(一村すみれ)

全く知らない役者だったので、今ググったら、
なんとラブライブ!を観て役者になるのを志した二十歳とか、
最近すぎ&若すぎ!!!
当然キャリアも浅く、その割にはよく頑張ったんじゃないかな。


で、観劇した時は、そういう先入観は無い。
その状態で最初どう感じたか、というと…
そんなに霧ちゃんっぽくない。
若く見える20代後半の役者に見えたんだよなー。
まさか実際こんなに若いとはw
二十歳なら霧ちゃん役もまあアリだとは思うが、
観劇していた時は、無しかなー、と思った。
理想は、もっと背が低いと良かった。

ただ、長く見て行くと、それにも慣れて、アリかなーとは思った。
結構番手も多い中でよくやってたし。



○春曲鈍(宮下雄也

これは素晴らしかった!
あの舌足らずなしゃべり方を完全に再現。
ちょっとむちむちしてパンパンな肉付きも、
二頭身鈍ちゃんを連想させる。
カブトとお別れするときのぐちゃぐちゃ(多分)の泣き顔からの霧状の唾液は、
何か小道具でも使ったの?!と思わせるほど。

どことなく顔つきが山崎邦正に似てたし、春曲鈍にふさわしいコメディセンスを
発揮してたし、もしかしてお笑いの人?と思ってしまう位だったが、
今調べたら、ランガンの人なんだとか!
こんなところでランガンを生で見ることになろうとは…
キャリアも十分なようで、こんな大役をこなしてしまうのも納得か。





○出瀬潔(もう中学生)


5〜6割くらいがもう中学生。
お馴染みの口調でボケをかましたり、前回同様、しっかりと本ネタをやるシーンも。
なんか水族館のネタだった気がする。

前回の感想を見ると、もう中学生具合は「かなり」と書いてたので、
収まった方…なのかもw



○大間仁(ジョイマン高木)

こちらは8割くらい高木。
ジョイマンラップ?が頻発。
ちゃんとネタっぽく長尺でやるより、ちょいちょい挟まる方がウケてました。
残りの2割は、主に「ラーメン二郎行きたい」発言かw
外見も去年より似てないようなw



○物星大(鳥越裕貴)

鳥越さんの事は良く知らないが、おそらくイケメン俳優なんだろう。
そんなイケメン俳優がレオタードでケツ出したりするシーンが多発。
そしてそのたびに笑いが起こる…
奇面組で一番笑いを取っていたように感じましたw



○一堂零(平野良

最初の方にも書きましたが、主役らしい活躍をしてました。
素晴らしかったと思います。



○冷越豪(寺山武志)

原作ではナンバー2なんだが、相対的に見て、5人の中で一番目立ってない気がするw
千絵ちゃんとの絡みも無かったし。





○存在感梨男(鈴木そぼく)

全く気付かなかったが、今調べたら、
前回も、その他大勢の「よろづ組」として出ていた模様w
さすが存在感梨男なだけあるwww
なんとなく、役者名に既視感あったんだよなー。


で、今回は泥棒メンバーの一人。
ボス+四天王の5人で構成されてます。
存在感梨男は、「存在感が無いキャラ」というのを前面に押し出し、
割と存在感がありましたw
途中でキャラ代わりするしw



○彼好愛(あまりかなり)

これで「きゃっつあい」と読む(きゃつあいかもw)。
泥棒メンバーの紅一点で、その名の通りキャッツアイみたいな格好をしているが、
華麗に盗むというより、セクシーなS嬢って感じの役回りだ。
ボスのお気に入りなので、ボスと一緒に行動することが多い。
キャラはかなり立ってる。




○胡散苦成(岡田地平)

この役名…何て読むんだ?
胡散臭い感じの読み方になるとは思うんだけど…
外見はルパンなのに、名前も中身も無関係。
泥棒に入るシーンも、後述の潜利虚無蔵とのペアで、
潜利の方が目立ってるから、結果一番存在感梨男なのはあんただよ!
と言いたいw



○潜利虚無蔵(杉崎シュンベーター)

なんか歌舞伎みたいな隈取をして、見得を切ったりしています。
泥棒と歌舞伎と関係あるの?
ルパン、キャッツアイときて、なんで歌舞伎なんだw
HPの写真だと、隈取無いんだよね。
途中で追加したのかな?



○ボス(松本ししまる)

泥棒のボス。
唐草模様の風呂敷みたいなのを被っていて、
表情は良く分かりません。

ナイスアイディアだと思ったのが、ボスと彼好愛が泥棒として一堂家に侵入するときに、
父さんと霧ちゃんに変装して忍び込む、という事。
つまりは、なだぎさんは「ボスが変装した啄石」、
すみれさんは「彼好愛が変装した霧」も演じることになります。
その演じ分けみたいなのも面白かったです。
良い趣向。



○謎の生物カブト(KENKI)

変わった役…だと思います。
カブトガニみたいな宇宙生命体で、だんだん成長して大きくなっていきます。
最初は小さいので、ぬいぐるみくらいの大きさのカブトを黒子のように動かします。
大きくなると、そのぬいぐるみを被り物のように被って演じる感じ。
アドリブ多数と思われるこの舞台で、セリフは「カフー カフー」という鳴き声だけで、
他のキャストのような面白い事もやりづらい、動きも制限された特殊な役だなー、と。
加えて、役者に注目が集まりづらい。
てっきり役者名もないような裏方がやってるのかと思ったもんw






○公演時間

公演時間は2時間を予定していますが、役者のアドリブ次第で増減がある、
と事前にアナウンスされています。
前回公演は初日に観て、その後、日を追うごとに公演時間が伸びていったらしいですが、
今回公演は、千秋楽の2日前という、かなり終盤に観たにも関わらず、
公演時間がきっちり2時間!
いや、正確に測ったら1分くらいは少ないまである。
うーんこれは一体…



○途中で舞台が終わる

舞台の途中で、仮エンディングとでも言うのか、一旦舞台を閉めに入るんですよ。
前回公演が、ストーリー的に前半と後半が明確だったから、
おそらく本公演も、この仮エンディングで前半と後半を分けてるんじゃないかと。

ただ、この演出は個人的にはイマイチ。
「一堂啄石役の、なだぎ武でしたー」みたいな挨拶もあるんだけど、
その瞬間、彼は啄石じゃなくて、なだぎさんになってるわけじゃん。
それが醒めるんだよなー。
普通の舞台だったらいいけど、これは2.5次元
漫画のキャラクターを投影して、入り込んで見てるわけだから、
それを舞台の途中に降りられる、素の役者を見せられるのはどうかと。





そんなところかなー。
2回目があれば、当然3回目も期待しますが…どうなんだろ。
パワーダウン感も感じたけど、ツイッターでは相変わらずの高評価。
ただ、低評価の意見なんて、そうそう入ってこないし、
感想ツイートの数は減ったようにも感じた。
まあ、俺の検索が甘いだけだろうけどw

とりあえず、次回までには原作を発掘して読み返したいですw