12/17 サンシャイン劇場「『成井豊と梅棒のマリアージュ』plat de 成井豊」

http://napposunited.com/mariage/



かの有名なキャラメルボックスと、俺の大好きな梅棒がコラボ?!
いつかはキャラメルを観たいという欲求もあり、最高に興奮したコラボ舞台となります。
舞台は、梅棒バージョンとも言える「plat d'梅棒」と、
キャラメルバージョンの「plat de 成井豊」の2バージョンがあり、
それぞれ全く違う内容になってるようです。
んで、今回は舞台初日のキャラメルバージョンを観た感想になります。

ちなみに今回は両バージョンを観た人には、特典として皿がもらえる事に直前で気づき、
もらってきましたが、かなりちゃんとした皿でデザインも素敵で驚きましたw
めっちゃ嬉しいサービスだけど、
物販で売った方が利益になったよなあ…とか心配してしまいますw

http://napposunited.com/news/2020/1201-933




〇コロナ対策について


コロナ以降の舞台は、前回の奇面組について2回目だが、
一番驚いた違いは、一席空けにしてた奇面組に対して、
こちらは前後左右に人がいる、通常運転にしてたって事だ。
これはどうなんだろうなー。

客入りは、前方のSS席は、9割がた埋まっていたが、
S席は1~2割のガラガラ具合。
単純に売れてない(平日だし)ってのもあるが、
HPのコロナ対策的なページを見ると

「②客席の前方は横に人がいる席配置、後方は前後左右1席空けた席配置とし、収容率は
50%前後に設定しております。」

との記載があり、S席は前後左右を1席空けて、
席数自体少なくしてるってのもあるんでしょう。
俺はこれを読んで
「前方は密だけど、会場全体では50%の席数だからセーフ」
という理解をしました。
んで、それが納得できるかと言うと、どうかなー…

俺としては、前後はいいから左右1席空けくらいにして欲しかったかな…
俺は専門家じゃないから分からないけど、隣にコロナの人がいたとして、
会場全体席数50%ならセーフなものなのかね?
確かに後ろで見る人が少なくなるような選択肢だから、
全体の幸せを考えたら、いいっちゃあいいかもしれないが…
あとは、前方がぎっしりで後方がスカスカの会場を見て、
ガチ勢多いなーという印象もあったかなw




もう一つの大きな特徴として、役者がマウスシールドをつけて演じているという事。
奇面組は何もつけてなかったから、
こちらの方が一歩上の対策をしてるという解釈は出来ますが…
慣れるとさほど気になりませんが、無い方がいいのは間違いないでしょう。
これなら奇面組の「1席空け、マウスシールドなし」の方が良かったなあ。
こういうのは演劇業界で統一されてるのかと思いきや、そうでもないのね。
或いは会場によって違うのかな。



小さな要素として、奇面組では、
チケットの半券の裏に名前と電話番号を書かせていましたが、
この舞台では、事前にHPで入力するシステムになってました。
あれ、入力しなかったらどうなるんだろう…
奇面組では書いてなかったらその場で書かせる位の強制力持たせてましたが。




〇plat de 成井豊

15分の短編7つで構成された舞台。
この短編の集合体みたいな舞台はかなり嫌いで、正直萎えていたのですが、
登場人物が共通して、時系列もあり、
全体できっちりとした一つの作品になっていたのは〇。
短編集みたいなのって、一つ一つで気持ちが途切れちゃって、
余韻に浸れずに次の話になっちゃうのが嫌なんだけど、繋がってるおかげで、
その辺のネガティブ感は無かった。

あと、上映時間1時間50分が、かなり短く感じた。
これには驚かされたなー。
短編集だからってのもあるのかなー。


んで、面白かったかと言うと、面白かったといえば面白かったのだが…
「面白いとは何か?」みたいな問題になると思うw


例えば俺は漫画が好きだけど、メジャーどころの漫画誌の漫画が好きなのよね。
KADOKAWAとか、ガンガンなどのスクエニ系、
悪い言い方すると、オタク系の人に受けそうな通好みの漫画、みたいなのは苦手。
だが、そういう作品だって人気作品はあるわけだし、当然面白いと支持する人はいる。
ただ単に俺に合わないってだけで。


んで、そういう「面白い」が俺に合わないのかなーと思った。
思えば俺が好んで見てきた舞台は、分かりやすく面白く派手で笑いがあって…
というような舞台が多かった。
今回のキャラメルバージョンは、そうではなかった。
これは間違いなく言える。

ただ、俺の中のキャラメルって、
小難しい演劇業界から、「分かりやすさ、分かりやすい面白さ」というのを
やるようになって人気が出て来た劇団、というイメージがあったので、
そのキャラメルが、今流行ってる2.5次元や、梅棒、
昔見てたZ団みたいな分かりやすさは無いんだなーとは思った。




もう一つ例えるなら、ラーメン。
俺は二朗系や味の濃いラーメンが好きだが、
そういうのは「分かりやすい味、派手な味」と言えるだろう。
しかし、繊細な味わいがウリのあっさりラーメンだって当然需要があるわけで…
キャラメルはそっちなのかなーと。
舞台の内容も、どちらかと言えば繊細寄りだろうし。




あとは「戯曲とは何ぞや?」って所かなー。
「戯曲(ぎきょく)は、演劇の上演のために執筆された脚本や、上演台本のかたちで執筆された文学作品」
ってWikiに書いてて、これを当てはめるなら、
2.5次元は文学作品じゃないから、戯曲じゃないって事なのかな。
イメージとしても、2.5次元が戯曲とは言わない気がする。

良く分かりませんが、今回の作品は、良く出来た戯曲だなあ、という感想は持てる。
「キャラメルは戯曲が素晴らしい」みたいなイメージはあって、
そのイメージ通りではあった。
内容も、主役級のヒロインが高校演劇やったり、でかい役に大抜擢されて、
舞台内舞台みたいなの始まったりと、演劇をテーマに扱ってるのも、
何かのメッセージ性というか、実力を見せつける自信のようなものを感じました。

けど、俺は文学作品よりも漫画が読みたかった。
というのが感想というか、感覚の違いかな。



あと、あんまりグッと来なかった要素の一つとして、エモさが無かった、って所かな。
7つある短編のラストは、確かにラストにふさわしい内容であったと思う。
良く出来たお話であったと思うし、綺麗にまとまっていた。
しかし、熱量が無い。
だから感動しなかったんだよなー。
なんか、台本上で綺麗に演じました、って感じ。

じゃあ、熱量とは何か?となった時に、
分かりやすいような汗をかく演技を俺は求めてる。
それが二郎系だから。
多分それが一番俺には伝わるし、梅棒はそっちのタイプだと思う。
ちょっとサラっとしすぎなんだよなー。


あとはクライマックスの盛り上がりかな。
2時間の舞台であれば、
やっぱりクライマックスで盛り上がるような構成になってるものだ。
しかし今回の舞台は短編。
繋がってるお話とはいえ、どうしても盛り上がるような構成になってないし、
そもそもバトルモノとかでもない、恋愛要素がクライマックスなので、
派手さも出しようもないのがなー。



ついでに言うと、要所要所で、「なんでこのキャラクターがこういう選択をしたのか」
というのが微妙だなーと思うシーンもあったかな。
具体的には忘れちゃったけど、この辺の説得要素として、
やっぱり熱量やエモさが欲しかったかな。




で、今回の短編は、基本2人だけのやり取りで構成されてるのですが、
唯一例外がある。
それが、5番目にやった「やっと君に追いついた」というやつで、
8人くらい出演して、出演メンバーも梅棒の人が多い。
明らかに梅棒の色が濃いこのシーンが一番印象的だった。
一番面白かった、は言い過ぎかもしれないが、そう言ってもいいかもしれない。

まず、梅棒の今人さんが出て来ただけで、結構な笑いが起きてたもんなーw
あそこで笑った人は絶対梅棒ファンだろうなw
他にも、笑いの数や質、会話のテンポ感などが、明らかに違う。
俺の求める派手さや熱量のあるものだったと思う。

まあ、普段梅棒はセリフ無しでやってるから、
セリフ有のちゃんとした芝居を見るのはほぼ初めてと言っていいが、
しっかり梅棒に求める楽しさがあったように感じた。
変な話だけど。



〇短編の内容について

www.youtube.com


このゲネプロ動画も合わせて見ていただけると、
内容は掴みやすいかな。
⑦以外の内容が、ほぼ順番に載ってます。






① ラスト・フィフティーン・ミニッツ

チラシによると、これだけ再演らしい。
旅行先で3歳の子供に向かって送るメッセージ動画を撮る夫婦。
実はそれは、宇宙旅行で隕石がぶつかって、残り15分くらいで宇宙船が爆破して
死んでしまうという状況で撮っているというのが分かる。
この構成はとても面白いと思ったし、
散々熱量が無い、みたいな事書いてたが、このシーンのやり取りはとても熱かったです。


しかし、チラシにある「たった15分で会場中の涙を絞りとった」は言い過ぎ。
そこまで感動しなかったし、ラストもただ単に爆発して、特に意外性も無かった。
そして、宇宙旅行が日常にあるような環境だから、
今より結構な未来なんだろうなー、と思って見てたが、
これ以降未来らしい描写が見られなかったのは×。
なんで宇宙旅行にしたの?

ちなみに初演時は女性役は渡邊安理さんだった、との事。
ピヨレボで馴染みがあるから、渡邊さんで見たかったなあ…
結婚してお休み中なのかな?



② たった今、好きになった

この作品の主人公で、後にカップルになる2人の高校時代のやり取り。
女性は演劇部で、怪我して代役を男性に頼む的なシーン。
女性はキャラメル、男性は梅棒の人で、コラボ感は◎。
そして女性は①の短編の3歳の子供という事が分かり、
あーなるほど、こういう事ねーってのが分かる。
男は兄の存在にコンプレックスを抱えていることが分かるが、
そこを他でもっと膨らませても良かったけどなー。
安易だけど。



③ 最後の春休み

②の男性×②の女性の友達とのやり取り。
女性が可愛かったです。

舞台上で北斗の拳に触れてたけど、
直前のネットニュースでVRハート様のニュースを見てたのと、
この日の午前中にコトダマンの北斗の拳コラボを一生懸命やって終わらせてたので、
リンクしてるなーと思いましたw



④ わずか1ステージのラララ

時は流れて、とある舞台のアンサンブルだった女主人公が、
メインキャストの急な降板で、急遽代役をすることに。
その前日にホテルで缶詰めになって練習してる女主人公と、
舞台のプロデューサー?とのやり取り。

このシーン、俺はかなり好きだったなー。
舞台上で舞台の芝居の練習するシーンにも時間を割と使って、
それどうなの?と思ったりもしたが、
それでも好きだった。
多分、この「脇役から急なチャンスでメインキャストに大抜擢」
みたいなシチュエーションに、少年マンガ的な熱さを感じていたからだろう。
燃えるシチュエーション、そこに熱量があったから、かな。



⑤ やっと君に追いついた

先ほど書いた、梅棒メインのシーン。
もちろんストーリー的にもつながってます。
男主人公が書いた小説か何かが映画化して、
その撮影現場にやってきた。
そこでの監督やスタッフ、プロデューサーとのやり取り。
女主人公も出演役者で、最後抱き合って終わるあたりは、
ふんわりとしてた恋愛関係を決定づける感じかな。



⑥ 花束

このシーンは違和感だったなー。
⑤の映画監督が、別れた奥さんの娘が主演の舞台を観に来て、
娘と会うやりとり…ってシーンなんだが、
⑤で出て来た監督をここで掘り下げる意味が分からなかった。
じゃあ、何なら良かった?と言われると困るのだが…
しかも、まーた舞台題材だしさー。
何かしらのテーマも感じなくはないが…



⑦ 最後の最後の1秒まで

既にカップルになっていた主役の2人のやり取り。
思い返せば意外な場所でのエンディング、
脚本も良く出来ているが…
グッと来なかったし刺さらなかった。

⑤のシーンで、不倫に対して恋愛感情を抱くのは自然という監督に対して、
自身の恋愛観から真っ向から否定した男主人公。
それが何かしらの伏線のように感じられたが、
特に生きてなかった、というかもうちょっと欲しかった。






〇音楽について

今作は、使用されてる音楽の全て(開演前BGMも含めて)が、
スパイラルライフ
名前は知ってるが、もっとロックっぽいサウンドかと思ったら、
ザバダックっぽい音楽で、俺の中でキャラメルと言えばザバダックだから、
「あー、通じてるなー」と思いましたw
なんなら全曲ザバダックが一番アガったけどw


http://napposunited.com/news/2020/1130-930




そんなところかなー。
ついでにキャラメルのWiki見たんだけど、
破産のニュースはもちろんリアルタイムで知っていたが、
売上の減少とかも結構あったみたいね。
キャラメルは今の時代に合わなくなってきてるのかなー、とも思っちゃいました。