12/23 サンシャイン劇場「『成井豊と梅棒のマリアージュ』plat d' 梅棒」

http://napposunited.com/mariage/



先日見てきた舞台の梅棒バージョン。
こちらは4つの短編で構成されており、
うち1つはキャラメルの成井さんの脚本、演出で、
当然セリフ有。
他3つは梅棒のいつものノンバーバルです。
キャラメルバージョンと同様に、
1本目のBBWは再演なんだとか。





キャラメルバージョンを観ていたおかげで、
「あの役者さんが、こっちではこういう出方してるんだ!」
という楽しみもあるし、
今回の舞台は、セリフ有ではマウスシールドを付ける事になっているんだけど、
ノンバーバルの梅棒ではマウスシールドは不要なわけで、
このご時世で梅棒の良さがより出ている?!というようにも感じました。

コロナだから遠慮しそうな、舞台上での食事シーンやケーキを顔面にぶつけたり、
パンダの被り物を使いまわしたりというシーンもあり、
セリフさえ発しなければ、役者同士なら問題ないって感じなんでしょうね。
あれだけダンスしまくって、激しい息づかいからの感染パターンもありそうだけど、
マウスシールドしてないわけだし。





あと、改めて考えさせられたのは、「説明する事」についてかな。
前のplat de 成井豊見た時に、

>「なんでこのキャラクターがこういう選択をしたのか」
というのが微妙だなーと思うシーンもあった

みたいな事書いたけど、それが気になるのって、セリフがあるからなんだよね。
梅棒の舞台にはセリフが無い。
分かりやすいとはいえ、セリフが無いから故に、分からない事もある。
だが、セリフが無いと、それが気にならないんだよね。
分からなくて当たり前みたいな感覚。
それが、セリフが有りになると、説明不足だなー、みたいな気持ちが産まれてしまう。
うーん不思議だ。





〇オープニング?

ステージ上には、開演前から、本日のメニューのような感じで、
4つの短編のタイトルなんかが書かれたボードみたいなのが置いてある。

https://ticket-news.pia.jp/pia/news.do?newsCd=202012240002

そこへ、今回の舞台のビジュアルイメージみたいな
コックの格好のした男性が一人やってくる。
そして、そのボードを元に、舞台の内容を説明する…セリフ無しのジェスチャーのみでw


ここでおおっと思うのは、
このコックは出て来た瞬間にマウスシールドをしてないのが分かる、
つまりはセリフを発しないんだなあ、というのが見た瞬間に分かるわけ。
この感覚が面白いなあと思いました。

ちなみにコック役は、今作の作・演出を務める遠山さんだったように思います。
適役ですね。
いつも梅棒の演出してる今人さんとは別なわけですが、
いつも通りの梅棒って感じでした。
③の成井さんの短編をどういう説明してたか、全く思い出せない…




① BBW~ビッグ・ビューティフル・ウーマン~

これだけ再演らしい。
初演時は15分の内容だったっぽいが、体感15分以上はあったなー。
実際どうなんだろ?

ケーキ屋のパティシエに恋した太めの女性が、ダイエットして痩せたりして奮闘する話。
食べ物の誘惑を、天使と悪魔のバトルに例えたり…
一度ダイエットに成功してから、また太る展開が良かった。


太めの女性はキャラメルの男性が演じていて、痩せると綺麗な女性に大変身!
性別まで変わっちゃってるじゃんwwwwww
とか思って見ていたのですが、
パンフ見たら痩せたバージョンは梅棒の男性が演じていたことが分かって、
おったまげたwww
通常の梅棒公演ならまだしも、今回はキャラメルの女性陣が沢山いるんだから、
そちらの女性を使ってくれよ…w


この短編に限らず、キャラメルバージョンで女主人公を演じた原田さんが、
ザ・脇役ってポジションで出ているのですが、脇役なのに、
なんで?って感じでダンスで混じってきて、存在感を出してたのが印象的でした。
ウーバーイーツで届けてから、そのまま立ち去らずに踊り始めるとか、
不自然だなーと思っちゃったんだけどw


個人的にはこの作品が4つの中で一番まとまりがいいというか、
短編としての完成度が高い気がしました。
ラストも一番分かりやすかったし。
最後生クリームのケーキをほんとにぶつけちゃうんだ!
ってのと、そのままダンスで大団円感は最高w



ちなみにパンフ情報によると、この初演の時の通し稽古を見た成井さんが
・あまりの面白さに大ショックを受けた
・とにかくショック。こういったものを見たのが初めて
・演劇のひとつの表現として、こういったものもありなんだっていうのが大ショック

という趣旨の発言をしていて、あの成井さんでもそれほどのショックを受ける梅棒って
やっぱすげーんだな、って思っちゃいましたw
ただの一般人の俺も、あの偉大な成井さんも、大体同じ感想なんだもん。
キャラメルの筒井さんも、通し稽古見スタンディングオベーションしたのは
生まれて初めてだったとか。




② Y

ヤクザの一味に恋した女性との恋愛モノ。
任侠ものの世界観。
同じ恋愛モノながら、さきほどのポップな展開とはかなり違い、
最後も演歌が似合う(実際『天城越え』が流れる)、
何とも言えないハッピーでもない感じのやつ。


個人的には、『天城越え』の前の浜崎あゆみの所で終わるのもアリかなーとは思った。
あと、最初の『部屋とYシャツと私』の選曲が分からんなー。
特徴的な世界観を持つ曲だが、舞台の内容が合ってるとは言い難かった。
…と思ったが、今気付いたのだが、恋愛対象の男性役名は「Y」で、
短編のタイトルも「Y」。
Yに合わせてこの曲なのか?!
いやこれ分からんてwwwww
そもそも舞台観る時に短編タイトルなんて覚えてないし、
役名なんてパンフ見ないと分からないし。

パンダの被り物も、意味あったのかな?
ただ単にポップなアイコンって感じなのかな。
④にも登場したし、分かりやすさの記号みたいなものかなーとも思ったが、
被ったら強くなる、みたいな瞬間もあったし。
そういう細かい???が多少あった作品。
もちろん総じて良かったけど。

あと、①で恋愛対象だったパティシエ役のキャラメル阿部さんと、
②で恋愛対象だったヤクザ一味の梅棒櫻井さんが
顔似てて、最初同じ役者かと思って、その意味とか考えだしちゃったのがマイナスw


主人公であるヒロインの女性、男性が演じてたのパンフ見て初めて気づいたwwww
いや①でも書いたけど、キャラメルに女性たくさんいるから、その一人かと思って…
確かに女性にしては顔が微妙だなあとは思ってたけどさw
濡れ場を表現してたのは、おおっと思ったけど、
男性だったからやりやすいってのもあったか。
しかし思い返してみると、
この内容でメインヒロインを男性が演じる意味が分からんなあ。
通常の梅棒のように男性しかいないっていうならまだしも。




③ CROSSROADS

ここだけ成井さんの脚本・演出で、セリフ有の通常の舞台。
張り込み中の刑事の所に、30年後?の未来の息子から電話がかかってきて、
刑事が死ぬのを阻止しようとする話。
キャラメルにはこういうタイムスリップ要素のある話が割とあるっぽいね。

未来側には息子の他にもう1人いて、そいつが、刑事を殺す側の人の未来の息子、
というオチは予想外で良かった。

あと、plat de 成井豊と比べて、
明らかにセリフを噛んだり言い直したりする回数が多いw


作品解説としては、こちらのサイトがかなり良かったです。
後から見て「へー」と思う箇所が多々。
http://community.pia.jp/stage_pia/2020/12/post-820.html




④ End ofF Story

今にも老衰で死んでしまいそうな老人と、その飼い犬。
ていうか死んだ?!
死後の世界で閻魔大王の裁きを受けながら、
生前の人生を振り返り、
天国と地獄どちらに連れていかれるか…
みたいな話…?!

多分4つの短編のうち、これが一番内容を理解してないまであるw
だけど、ラストは号泣。
良く分からない部分もあるんだけど、感情に訴えてくる。
これが梅棒の凄さよ。
泣ける舞台=いい舞台と言うつもりはないが、
やっぱり理屈じゃなく感情に訴えて欲しい。。
キャラメルバージョンに欲しかったのはこういう部分。


最後にふさわしく、①に登場した天使と悪魔や、
②に登場したヤクザ達も出てきて、このオールスターっぷりに興奮を覚える。
どうせなら、③からも欲しかったなー。



絶対に×だと思ったのが、老人の妻として、①の主役の太った女性の役者を
同じように女装させて、再登場させたこと。
これを見て、オールスター的な演出から、①の女性が再登場したのかと思ってしまった。
見た目も似てたしさー。
老人の生前を振り返るような内容だけど、老人は老人のままのビジュアルだから、
女性が娘なのか、通りすがりの人なのか、妻という事も分かりにくかったし。
ついでに言うと、息子役で②の櫻井さんが出たんだけど、
櫻井さんか阿部さんが同じ役で再登場したのかと思ったしさーw




そんなところかなー。
梅棒の舞台は基本2回観るようにしてるんだけど、
今回はキャラメルバージョン、梅棒バージョン1回ずつで、
さすがに梅棒もう1回足すのは厳しいかなーと思ったけど、
全然それもアリかなーと思える内容ではありましたね。
5月にやる舞台が今回の④の本編らしいから、
それに向けてもう1回見るのもアリだったかも。
その間に別の梅棒の舞台もあるし、忘れちゃうよ…w