ご存知、サウンドノベルの金字塔の舞台化。
俺もかなり好きな作品なんで、期待はしていましたが、
ゲームのかまいたちの夜は、全部で3作あり、
やり込んだのは1作だけ。
2は、2003年くらいに、卒業した大学のサークル室で
冒頭をちょろっとやり、
一昨年くらいにマゴさんの配信を見た位。
そのマゴさんの配信も、第一の被害者が出たあたりまでしかやってないし。
つまりは、ほぼ知らないも同然です。
そして、3は全く知りません。
そんな状態の俺ですが、今回の舞台は、特別ナンバリングもされてないし、
公式HPのあらすじには、
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
とある場所に閉じ込められた『かまいたちの夜』の登場人物達。
「こんや、12じ、だれかがしぬ」
という手紙が発見され、本当に殺人事件が起きてしまう。
プレイヤーであるあなたは様々な選択肢を選びながら物語を進めていく…。
でも、何かが『かまいたちの夜』とは違う?
そして、新たな殺人事件も発生?
いったい何が本当なのか?
舞台ならではの仕掛けもたっぷりの本作で、あなたは真の犯人は見つけられるのか。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
と書かれており、アレンジがあるにせよ、1のストーリーがメインになるだろう、
と思っていた。
しかし、公演二日前に公開された記事によると、
https://mediact.info/interview_info/14177/
>我孫子:物語の舞台は、三日月島なんです。
>――なるほど! 『かまいたちの夜2』ベースなんですかね、
という記載があり、
「ええええええええええええ」と一気に不安になる。
2なんてよく知らないし!
「かまいたちの夜」といえば初代であって、
それ以降はそれほど話題になってない。
理由は分からないが、
2に関しては、恐らく冒頭のメタ的要素が
イマイチなんじゃないかと俺は思っている。
とにかく、かまいたちの夜といえば初代なのに、
2がベース?!?!
そりゃないぜ、って気分になった。
まあ、単に俺が2をやってない、ってのが理由なんだけど。
にしたって、あのあらすじで2ベースとは思わんだろ!
そんな不安をかかえつつの初日…
向かうは北千住、シアター1010です。
初めてのハコですが、マルイの11階にあり、
結構大きな会場で、キャパは701。
スペースゼロあたりのハコより100以上多いという事に。
大体初演というのは人気なのですが、
後ろの方(17~21列)はほぼ空席となっており、
集客に苦戦している印象はありました。
けど、よく考えたら平日の昼だから当然かw
梅棒だって、大体金曜の夜が初日だもんね。
二回目の観劇は、東京の最終日である、
日曜の昼公演だったのですが、
1階はぎっしりで、二階席にも客が入ってました。
ただ、当日券も出てたし、満席って感じでは無さそう。
〇分岐、選択肢
あらかじめアナウンスされていた事なのだが、
この舞台には、原作のかまいたちの夜同様、分岐が存在する。
配布された赤青のうちわを使い、
Aの選択肢なら赤、
Bの選択肢なら青、
Cの選択肢ならうちわをきりもみ状に動かす
と言った感じだ。
基本的には2択で、3択はチュートリアルを除けば一か所だけだ。
ただ、その唯一の箇所では、Cの選択肢に
「いっそもう、殺してしまったらどうだろう?」という、
かまいたちテイストを感じさせる、軽いノリで突拍子もない選択肢w
しかもそれが多数決になり(俺もそれ選んだw)、
演者が「さすがにもう一回考え直しましょう」とか言って、
改めさせてたwww
https://mediact.info/report_info/14569/
さらに、二回目の観劇の時は、
やはりCが最多になり
「考え直しましょう」からの、なおもCが最多になり
「もう一回、もう一回考え直して」ってなってたから、
ここでCが選ばれる、という事は無いようだwwww
分岐のシーンは、
ゴールデンアックスの場合は
「ここで分岐です」って感じでじっくり選ばせてくれるんだけど、
この舞台では、
映像でお馴染みのかまいたちフォントで分岐が表示され、
読んで迷ってる間に、役者の人が数えて判断して進める、って感じで、
もうちょっと時間欲しいなーとは思った。
体感1分くらいでサクッと進行してました。
なお、「ストーリー分岐」と書かなかったのには理由がある。
おそらくだが、この分岐は、どちらを選んでも、
直後の展開はちょっと変わるものの、
ストーリー自体に大きな影響はないと思われる。
実際のゲームでも、そういう選択肢あったし、
そんな感じ。
そこが、ゴールデンアックスとの大きな違いの1つだろう。
ちなみにチュートリアルでは、
A かまいたちの夜やったけど、あんまり覚えてない
B かまいたちの夜やった事無い
C かまいたちの夜めっちゃやりました!
みたいな選択肢。
結構Cが多く、次にBが多い感じだったかな。
俺は初代はやり込んだんで、Cにしました。
〇内容
観て分かったのですが、この舞台は、三つの階層に分かれていると思いました。
役者に役名の記載が無く、
それに相当するようなチラシが会場で配布されませんでしたが、
そんなチラシがあろうもんなら、ネタバレになってしまう、
そんなシステムです。
・第一階層
まずはこのシーンから始まる。
お馴染みの、初代かまいたちの夜のシーン。
登場人物は、
透と真理、美樹本、香山、香山の奥さん、死体役の田中といった面々。
お馴染みのメンバーながら、いない人も多い。
ゲームと同じBGM、ゲームと同じフォントで文字映像が流れ、
それでいて背景映像は、シュプール(クヌルプ)によく似た、
それでいて違うっぽい画像。
原作の雰囲気たっぷりの、ゲームとちょっと違ったやり取りがある。
・第二階層
舞台は、かまいたちの夜2の舞台、三日月島。
なんと、第一階層で展開されていた、かまいたちの夜1のシーンは、
この三日月島に泊まり込みで制作している
「かまいたちの夜VR」のゲーム内映像だった!!!
透役だった人はデバッガー、
香山役だった人は、チーフスタッフ、というように、
それぞれゲーム制作スタッフとしての役割があり、
物語が展開されていく。
時には第一階層に戻ったり、
第一階層と第二階層が共存するようなシーンもあり、
見せ方が非常に上手い。
・第三階層
これが問題の階層。
2時間ある舞台の中で、1時間経った後に展開される階層。
この階層は、現実世界。
会場に警察が入り込んできて、殺人事件が起きた、と。
被害者は、舞台上の劇団の偉い人(演出かな?)。
第二階層で演じていた役者は、ここでは劇団員になり、
それまでの1時間の内容は無意味になってしまう。
実際は、第二階層、第一階層でのやり取りが、
この第三階層での殺人事件での謎を解くカギになるので、
無意味では無いのだが…
少なくとも、第二階層までで展開されていた「ストーリー」に関しては、無意味だ。
ただの第三階層での前振りでしかないのだから。
しかし、こっちは入り込んで、第二階層までのストーリーを面白いと思って見ている。
そこにきて、いきなり現実とか言って、
入り込んで見ていた第二階層のキャラクターが、
ただの劇団員になってしまう悲しさ…
やっぱり、入り込めないと辛いわけよ。
俺は「シュタインズゲート」のゲームを途中でやるのやめたけど、
主人公があまりにも中二病というかオタク臭くて、
入り込めなくて辞めたのよ。
「ひぐらしのなく頃に」のゲームも、結構なオタク臭がするけど、
主人公がまあ割と一般人寄りだったから、入り込んで楽しむことが出来た。
この入り込む事の重要さ…
俺は第二階層までは楽しく入り込んで見ていた。
しかし、現実に戻された。
舞台という夢から醒めさせられた。
これは入り込めません。
また、この舞台の1つのウリである、うちわ投票による分岐。
これが存在しなくなる。
だって、舞台の演出としての投票、分岐なんだから。
第三階層は現実世界。
舞台から降りた世界だ。
そこで投票とか分岐とかいう、システマティックなものなど存在しない。
これがつまらなくさせる。
せっかくのウリを潰すわけなんだから。
ここでは、役者陣は役者名ではない名前を言うわけだが、
俺は今回の舞台は、ドロンズの石本さん以外知ってる人がいないのだが、
その石本さんが、石本と名乗っていなかった事から、
この第三階層も、作られた世界という事が分かる。
けど、ここまで現実感出しておいて、それもなんか中途半端だなあという印象。
役者の名前は、第二階層と第三階層では一緒だった。
だが、それは二回目観た時に気付いたのであって、
最初に観た時は、
「情報量多い!第二階層の役者の名前も覚えられてないのに、
第三階層の役者名まで覚えられるか!」
ってなってました。
第一階層は、お馴染みのかまいたちの夜のキャラクターの名前だからいいけど。
〇様々な「仕込み」
この舞台には、「舞台=ステージ」以外にも、
色々なものが仕込まれている。
・貼り紙
「かいえん1じかんごにだれかがしぬ」と書いてある貼り紙が、
ロビーのいたる所に貼ってある。
かまいたちの夜で有名な「こんや、12じ、だれかがしぬ」を
意識したもので、
「かまいたちの夜の舞台だし、そりゃ誰か死ぬだろなあ」
と思うが、
それが、第三階層、つまりは舞台ではなく現実世界での死者を表していたとは。
・ロビーでのやり取り
この舞台の出演者に「比企」という男性が登場する。
少年忍者の豊田陸人が演じるイケメンキャラだ。
この比企は、病院に行っていて渋滞にハマったりして、
舞台に遅刻したという事が、第三階層でのやり取りで明らかになるのだが、
実は開演前のロビーにおいて、スタッフ同士のやり取り
(スタッフに扮した役者)で、
「おい、間に合うのか?!」
「連絡どうなってる!」みたいなやり取りが行われているという…
最初に観劇した時は、そんなことはつゆ知らず、
客席に座って開演を待っていたのだが、
そんなことがあったと分かって、二回目の観劇時には、
ばっちりロビーに貼りついて観てましたw
まあ、大したことないやり取りなんだけど、
凝ってるなあと。
・不審人物(共犯者)
第三階層に行く前の話。
第一階層~第二階層の舞台中に、客席前列右端に座っている黒ずくめの人物が、
いきなり立ち上がり、当時の劇団に起きた悲劇的事件を伝えるニュースを
スピーカーで流しながら、会場スタッフに追われるように立ち去る、というもの。
この人が、第三階層における殺人の共犯者という事が分かり、
後の推理の対象になる。
・不審人物の隣に座っていた人
第三階層になり、警察が調査を進めていく中で、
不審人物がどういう人だったかを、隣に座っていた人に聞く。
最初は、普通に隣にいた客に聞いてるのかと思ったが、
二回目の観劇の時も、同じ性別(女性)が、同じような内容を、
割と明確に答えていたので、
仕込みの同一人物であることが分かる。
つまりは、毎公演、この前列右端の二席は仕込みで埋まってたわけでしょ?!
いつからいるんだろう…
開場直後からいるのかな?
いやーここ見に行きたかったなー。
ロビーに気を取られてた。
〇吹き替えの凄さ
この舞台では、
第一階層と第二階層が共存するシーンがある。
これがまあ凄い。
メインキャストは、ステージ前方、下段で、
VRの中である第一階層で、
「VRかまいたちの夜」内の調査をしている。
犯人を調べたり、証拠を集めたり…
そして、ステージ後方、上段で、
第二階層、三日月島にて、メンバーがVRをプレイしている様子が見える。
映像ではない、役者が演じている。
第一階層と第二階層の人物は同一人物、
つまり、ステージ上に同じ人間が2人いる事に!?!?!
実はこれ、別のアンサンブルの役者が、同じ格好して同一人物を演じているもの。
幸い、第二階層のVRプレイは、ゴーグルを被っていたり、
後ろ姿だけだったりと、そんなに顔が映らない。
同じ背格好であれば、同一人物に見えるのだ。
これを「吹き替え」というらしい。
俺は声優のアテレコ的な意味しか知らなかったので、
勉強になりましたw
この吹き替えは、アンサンブルだけでなく、
主要キャスト(後の容疑者候補)も2人ほど参加しています。
そして、このシーンは、
「うわー吹き替えすげー!」というだけでなく、
この吹き替えを演じている最中に、第三階層における殺人が
発生したことがわかり、犯人を推理する上での、
重要なシーンであることも分かります。
この舞台における、最重要シーンと言えるでしょう。
〇透・伊月/ヴァサイェガ渉
主役の少年忍者の人。
そんなに華があるようにも思えなかったが、
頑張ってました。
マルチエンディングになる部分では、
さすがにセリフのつっかえ具合が目立ちましたw
第二階層においては、ゲームの新人デバッガーという位置で
参加しています。
俺もデバッグのバイトしたことあったので、
親しみを感じましたw
〇比企/豊田陸人
同じく少年忍者の人。
中盤(第二階層)から登場し、一見ふざけた役どころのようで、
妙な鋭さも発揮する。
第三階層上で、手を怪我して病院に行って渋滞にハマって遅刻していた事が分かり、
本来、伊月の吹き替えで登場すべきシーンをすっぽかしている。
色々と怪しさが漂うが…?
〇香山・能坂/ドロンズ石本
唯一顔と名前が一致していたのが石本さん。
この舞台の構成・演出は「野坂実」とクレジットされてるので、
野坂実さん役と言っていいのかもしれません。
主要メンバーでありながら、
最終推理パートの直前で毒殺され退場。
「石本さんに28通りのエンディングを覚えさせるのは大変」
故の気づかいだと俺は思いましたw
うまいやり方!
どれくらい役者の仕事をしているかは分かりませんが、
結構良かったと思います!
〇餅月/田中孝宗
第一階層には登場せず、
第二階層において、ひたすら制作スタッフにパワハラをしまくる
嫌われ者のプロデューサー、いや、ディレクターかな?
彼のパワハラシーンは、観てるこちらも嫌な気分になるほどの素晴らしさですw
それ故に、第二階層で殺されてしまいます。
メインは第三階層なので、第二階層の殺人はメインではありませんが、
そのトリックなんかは、非常に面白かった半面、
「下(中庭)にいた餅月さんに上からでかいトゲ針を落っことして刺さって殺す」
というのは、あまりにも不確定要素の多い、
難しい殺人だと思いましたw
第二階層で殺されるため、出番は少な目。
それ故に、第三階層で殺人が起きた時の怪しさは結構あります。
ステージにいる人間には殺人出来ないはずだからね。
第三階層では、ただの役者になってるため、
第二階層のパワハラキャラとは別人すぎて、
しばらく誰だか分からずw
脚本も担当してる事が明かされ、
この舞台の脚本である「望月清一郎」さんをモデルにしてるんでしょう。
〇美樹本・長田/細貝圭
第二階層では気のいい先輩だったが、
第三階層になると、介入してきた警察に対して、
「ふざけんじゃねえ!」とキレまくる役。
美樹本と言えば付け髭。
それらしい付け髭もしっかりありつつ、
第二階層と第一階層が混在するようなシーンでは、
吹き替えの人は付け髭つけてたけど、
この人はつけてないシーンがあったような…?
しっかり注目して見てなかったのでうろ覚え。
第三階層上で第二階層の芝居するシーンがあるから、
そこでヒゲつけてないだけかな?
〇真理・絵美里/高柳明音
全然知りませんでしたが、
SKEの選抜では、3位になる位の人気者らしい。
第一階層では、主人公と「友達以上恋人未満」の関係を
遵守しつつ、第二階層になると、主人公に素っ気なくなる感じが見どころ。
主人公と同じデバッガーの先輩にあたり、
第二階層の殺人事件の犯人でもある。
あの壁抜けバグチェックで笑いが起きていたのに、
あんな意味があったなんて…
〇春子・ゆうこりん/塩月綾香
第一階層では香山の奥さん、
第二階層では香山役だった能坂の不倫相手というポジション。
血の付いたストールをプレゼントしたのは、
春子になりきってのセリフだったのか…?
第二階層の世界でプレゼントしたわけではない、って事でいいんだよね?
個人的には怪しさの無いポジション。
第三階層での印象は無いなー。
塩月さんは、元宝塚の人みたいです。
〇青空ゆうか/槙原唯
主要メンバーの中では、数少ない、第一階層に登場しない人。
ゲームをしない(できない?)ポジションらしく、雑用担当。
それ故に怪しさも満点だが…
第二階層では絵美里と共に殺人事件の犯人(共犯)になり、
絵美里の吹き替えも担当する。
通常の役だと髪型のせいで全然印象違うから、
吹き替えやってたのはびっくりしたなあ。
第三階層になると、しょぼくれてます。
〇戸倉/安田裕
第三階層に登場する警察の一人。
お調子者でイラつくキャラw
第三階層=現実なわけだが、
ある程度「芝居の延長線上ですよー」というのを
知らせる必要があるのかもしれない。
戸倉のキャラクターの強さは、
そのアラートとして一役買っているのではないだろうか。
格ゲーマーのGO1さんに似た外見で、
名前がトクラってのが面白かったですw
安田さんは、スーパー・エキセントリック・シアターの人らしい!
〇蓑部警部/大髙雄一郎
戸倉の上司にあたる警察の一人。
戸倉とは対照的に、真面目な感じの役どころです。
〇犯人&共犯者は誰?
第三階層が進み、それまでの状況から、
犯人(実行犯)と共犯者(不審人物)の2人が存在し、
それぞれ、主要メンバーの中から誰なのかを投票する時間が
クライマックスにやってくる。
そして、この投票結果を受けて、
例えば犯人がAさん、共犯者がBさんだという結果になったなら、
その投票結果が正解なのか不正解なのかに関わらず、
犯人がA、共犯者がBと決めつけた推理が展開し、エンディングへと進んでいく。
そのエンディングの種類は、AとBの組み合わせにより、28種類にも及ぶという…
狂ってる!
◇初回観劇時
俺の推理は
・犯人…美樹本・長田/細貝圭
・共犯者…???
美樹本役の長田は、第三階層になると、
急にキレ散らかして、怪しいから。
あと、第三階層中に第二階層の再現をするシーンがあるんだけど、
そこで、他の人はきちんと再現してるのに、
本編であった、ゆうこりんと能坂の不倫トークの再現が無かった。
これに何か意味があるんじゃないか、という予想。
共犯者というか不審人物は、不審人物であって、
壇上に上がっている役者の中に不審人物がいる、
という発想にならなかったんだよなー。
だから、投票の段階で、「え、この中にいるの?!」って
急に慌てちゃって、誰が共犯者なのか、って推理が出来なかったんだよなー。
投票で選ばれたのは
・犯人…透・伊月/ヴァサイェガ渉
・共犯者…比企/豊田陸人
という、少年忍者の2人。
絶対、推理とかじゃなく、人気投票で選ばれたろ!
特に、伊月は、犯行時間にずーっと壇上にいて、
一番犯行は無理なように思えた。
だが、そこからの展開は、まるで本当にこの2人が犯人であり、
共犯者であるかのような展開に。
初見という事もあり、
「投票で選ばれた人が犯人、共犯者と決めつけて展開が変わる」
というギミックも知らなかったしさー。
謎だった伊月のフルネームが暴露され、
伊月は、過去に事故死した劇団員の身内(弟?)だったことが判明するも、
なんだか後味の悪い、バッドエンドのような感じで終了しました。
◇2回目観劇時
俺の推理は
・犯人…青空ゆうか/槙原唯
・共犯者…比企/豊田陸人
まず、共犯者は比企で間違いないだろう。
共犯者(不審人物)が、舞台中に客席から立ち上がって、
スピーカー鳴らして去っていった時、
主要メンバーのほとんどは壇上にいた。
「遅刻した」とか言っている比企が、実は不審人物として
紛れ込んでいた、と考えるのが自然かなあと。
そして犯人だが、
被害者はナイフでめった刺しにされてる事が明らかになっており、
返り血を浴びてるのが普通だ。
そんなやつはいないので、着替える事が出来た人物が該当するだろう。
着替える事が出来た人物は、
・第二階層において、第一階層の透の吹き替えをしていた「比企/豊田陸人」
・第二階層において、第一階層の真理の吹き替えをしていた「青空ゆうか/槙原唯」
・第二階層において、早々と殺されており、それ以降はステージの裏で自由に動ける「餅月/田中孝宗」
この3人。
しかし、「比企/豊田陸人」は共犯者濃厚なので外れる。
一番可能性があるのは、「餅月/田中孝宗」だが、
なんだかよくわからないが、その間楽屋にいたというのは、
衣装さんだか誰かが一緒だったので、アリバイがあるんだとか。
まあ、メタ的推理でも、一番自由に動ける餅月が犯人というのも、簡単過ぎる。
よって、「青空ゆうか/槙原唯」が犯人という予想…
というのが、観劇時の推理だが、このブログ執筆時に思ったのが、
やはり「美樹本・長田/細貝圭」もあり得る気がしてきた。
長田は、羽織る感じのジャージのようなジャケットのような服を着ている。
その羽織った服を脱いで殺害し、返り血を浴びても服を羽織れば
血は目立たない。
しかし、付け髭に血がついてしまったから、第三階層になって
付け髭をつけていなかったとか?
また、メタ的推理として、「餅月/田中孝宗」「青空ゆうか/槙原唯」は、
舞台のチラシ表写真に載っていない役者だ。
つまりは、メイン役者ではない。
対して「美樹本・長田/細貝圭」は、チラシ表写真に載っている。
大体金田一のドラマとかでも、
犯人は有名どころのキャストが演じるパターンが多かった。
よって、メイン役者である「美樹本・長田/細貝圭」が、
やはり犯人じゃないかなあ。
投票で選ばれたのは、
・犯人…真理・絵美里/高柳明音
・共犯者…比企/豊田陸人
2回とも比企が選ばれるとは…
やはり共犯者は比企で間違いないだろう。
絵美里は意外だなー。
初見時に選ばれた伊月同様、
殺人が起きた時に、ステージから全く離れてない人物だから。
だからこそ、というのもあるのかもしれないが…
このルートでは、なんと比企が、実際に病院に行っていなかった、
という情報が得られる。
ますます怪しさが募るものの、絵美里が警察ともみくちゃなった時に、
何故か絵美里が警察を刺してしまうという、
かまいたちテイストが存分に溢れたバッドエンドにwww
伊月&比企の時より短く終わったんじゃないかな。
〇参加型の舞台
この舞台は、お客様参加型の舞台、とアナウンスされていた。
うちわの投票によって話が展開していくので、
まさに参加だ!と思っていたけど、
第三階層において、現実で殺人事件が起きて、
舞台が中止になったが、
お客さんすらも、容疑者かもしれないとか言って、
退室を許さず、そのまま客席にとどまってもらう。
この感じこそが、「舞台に参加している」という事を
言っていたのではないだろうか?
うまいなー。
〇台本の変更
この舞台は、台本の変更、書き直しが何度も行われたようで、
最終的な台本は、最初の台本から大きく変わり、
本番の前日でも手直しが行われていたらしい。
ただでさえ、エンディングが多数あり、覚えるのも大変な中、
ご愁傷様…
まあ、その甲斐あっての、凄い作品にはなったと思うけど。
〇かまいたちの夜の舞台なのか
第一階層、第二階層は、間違いないくゲームの「かまいたちの夜」を舞台化したと
言えるだろう。
だが、第三階層は、ゲームとは無関係の現実世界。
そして、舞台の構造上、この第三階層こそがメインである以上、
この舞台全体が「かまいたちの夜の舞台化」という点において、
首をかしげたくなる。
だが、「マーダーミステリーの舞台」としては、
かなり凄い部類に入る気がする。
俺もそんなに観てないから分からないけど、
マーダーミステリーってやつは、プレイヤー、視聴者の
予想の斜め上を行ったり、想像を飛びこえて来たりするのが通例だ。
三重構造の舞台、
開演前ロビーから始まっているギミック、
VRを使ったトリックなどが盛り込まれ、
投票により結末が28通りにも変化する、というのは、
後にも先にもないだろう。
十分我々の予想を超えてきた作品であった。
凄い舞台なのは間違いないです。
〇ホラーなのかミステリーなのか
前述の項と被るのだが、「かまいたちの夜」というゲームは、
ホラーゲームなのかミステリーなのか。
ゲーム自体は、前半はミステリー、犯人を指摘出来なかったら、
ホラーになるという作りになっている。
じゃあ、多くのユーザーが、印象に残ってるのはどっちかと行ったら、
ミステリーではなく、ホラーだと思うんですよね。
初プレイで犯人を指摘出来た人など、そういないだろう。
多くの人が、ホラー編へ突入し、そこでの色々は大きく記憶に残っているはずだ。
犯人を指摘出来ずに、
そのままホラーだけやってやめてしまったユーザーだって多いだろうし。
また、「かまいたちの夜」は、「弟切草」に続くサウンドノベル第二弾。
当時のプレイヤーは、「かまいたちの夜」を「弟切草」のような怖いゲームだろう、
という意識でプレイしていた。
そういうのもあって「かまいたちの夜」=ホラーゲーム、みたいな意識の人も
多いんじゃないかな。
しかし、この舞台は、ミステリーに舵を切っており、ホラー要素は皆無。
梅棒のミステリー作品であった「花婿は名探偵」の方が、
被害者の見せ方でホラー感あったくらいだw
そんなわけで、この舞台が
「かまいたちの夜というゲームの舞台化」という点では、
ちょっと弱いかなーという点も多いんだよね。
じゃあ、この舞台の構造で、「かまいたちの夜」と全く関係のない
オリジナルでやったとしても、弱いと思うし…
「かまいたちの夜」というゲームの仕組みすらも、
ミステリーの1ネタに使った、そんなマーダーミステリーの舞台って感じかな。