2006年 3/2 新宿THEATER/TOPS 「夢の城」:ポツドール

知人が出演してるので鑑賞。




内容は、ギャル女のアパートの一室でギャル男5人+ギャル女3人が
集まってだらだらしているという、ただそれだけです。



まずオープニングなんですが全くわかりません。
アパートを再現した豪華セットにはご丁寧にエアコンの室外機が
ついてるんですが…こいつが邪魔で部屋の様子が全く見えません。
左端に座っている人は皆同じ思いをしていたかと思います。
それでもセリフがあればある程度は把握できそうなもんですが、
この作品は基本的にセリフがありません。
オープニングは深夜に若者がバカ騒ぎしてるシーンなんですが
窓でさえぎられて声が聞こえない、という事なんですな。
他のお客さんはその様子を見て笑ったりしてるのに左端の人だけ
何が起こってるのかわからない…これには殺意を覚えましたね。


もしかして全編このままかと心配していましたが本編に入ると
室外機を含む窓のセットが取り払われ中が見えるようになります。
とりあえず一安心。でも作品に入り込みそびれた感は拭えません。

部屋の左端にはテレビがあり、朝は情報番組、
昼はワイドショー、深夜は通販番組+PS2の野球ゲームが
映し出されるのですが…これがまた俺の席から全く見えません。
まあ状況説明みたいなもんだし雰囲気出しの小道具と思えば
別に見えなくても問題無いのですが、
せっかく映ってるんなら見たくなってしまうもんだし、セリフの無いこの作品だと
テレビの音声がかなりウエイト大きいし、出演者がぼーっと
TVを見てるシーンがたくさんあるのですが、一体何の映像を
見てるかで意味が変わってくるじゃないすか?
TVの映像を指すシーンもあるんですが
一体何に反応してるのやらって感じですよ。

この作品は若者の怠惰な生活って事で布団の上で
ごろごろしたりするシーンが多いんですが、コレが前の席だと
かなり見えづらいです。寝っ転がってるから
当然低い位置なわけで、全体を見渡せる後ろの席なら
大丈夫なんですが舞台を見上げるような位置の前部座席だと…
残念至極な結果です。


だらだらとしたけだるい雰囲気は非常に良く出てると思いました。
前述したテレビの番組セレクトがかなり効いてて
2度寝3度寝したくなるようなユルさ加減を発揮。
ブックオフでマンガを買ってきて読み出すってのも
いかにもなダメさ加減を出してるかと。


でも、それだけだなあと。


一体この作品で何を伝えたかったのか、どういう意図で
演技してるのか、などと考えると全くわかりません。
ギャル系の人は糞だよ、という事ですか?
いや多分違うような気がしますが。
ドキュメントっぽさとかリアルさを出すなら何で
セリフ無くしたんでしょうか?そっちの方が
不自然な気がしますし、ギャグも入れようと思えばいくらでも
入れられるでしょうが少な目。でも少な目でもしっかりギャグとして
入れてるわけで、それがまたリアリティの薄い
突拍子もないモノだったりと、考えれば考えるほどわけがわかりません。
ホモネタで起こる笑いに妙な違和感さえ感じましたよ。


僕はポツドールの事は全然知りませんがなにやら賞とかもらって
人気もかなりあるご様子。過去の作品はどうなのか知りませんが
こんな調子の作品が一部の演劇愛好家というかマニアな人々に
評価されるってのはなんだかなあ…
結局分かる人だけ分かって下さい感じですよね?
そういうのはどうもなあ…
やっぱ何事も分かりやすいのが一番だと感じました。